
志望校はどう選ぶ?選ぶべき5つの軸で納得の学校選びを
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中学受験に向けて塾通いを続ける中、「そろそろ志望校を考え始めないと…」と焦りを感じている方も多いのではないでしょうか?
偏差値はもちろん大事な基準ですが、それだけで志望校を選ぶのは実はとても危険です。「通える範囲に偏差値が合う学校があるから」という理由だけで決めてしまうと、入学後に「こんなはずじゃなかった…」となることも。
そこで今回は、志望校を選ぶ際にぜひ意識したい「5つの軸」を紹介します。
偏差値や距離だけでは見えてこない、子どもに本当に合った学校を見つけるための視点を整理していきます。
1. 偏差値と距離でスクリーニング
志望校を検討するうえで最初に取り組みたいのは、「通学のしやすさ」と「合格の現実性」を両立させた候補校の絞り込みです。つまり、現実的に毎日通える範囲にある学校と、模試の結果などから目指せる偏差値帯の学校、その両方を掛け合わせて検討するということです。
具体的には、サピックスや四谷大塚などの模試で示される偏差値と、通学にかかる時間(30〜120分程度)を基準に、候補となる学校をピックアップします。単に距離だけでなく、乗り換えの回数や電車の混雑状況など、実際の通学ストレスも考慮に入れるのがポイントです。
中学生になると体力や判断力がつき、少々距離があっても自力で通えるケースが増えます。実際、電車1本で通える路線沿線の学校であれば、片道1時間以上かかっていても選択肢に含める家庭も多くあります。
偏差値と通学距離を組み合わせた「マトリクス表」や「地図上での可視化」などを活用することで、効率よく候補をリストアップできます。
- 偏差値(サピックスや四谷などの模試基準)
- 通学時間(30〜120分を目安)
この2つの組み合わせで候補をざっくりと洗い出します。
実は、中学生になると意外と遠距離通学も可能になります。保護者目線では遠く感じても、電車1本で通える学校なら検討対象に含めてよいでしょう。
「偏差値×距離」のマトリクスを作ってみると、効率的に候補が見えてきます。
参考リンク:最新の偏差値一覧(2025年度対応)
2. 進学先(大学附属校 or 進学校)
次に注目したいのが、その学校に進んだ「先に何があるか」です。中学受験では、合格がゴールではありません。6年間の中高生活を経た後の進路まで見据えて、志望校を考える必要があります。
大きく分けて、大学附属校と進学校という2つのタイプがあります。
大学附属校は、系列大学への進学がほぼ確約されており、受験のプレッシャーから解放されて多様な活動に時間を使えるのが特徴です。ただし、人気学部に進めるかどうかや、外部受験を希望した場合の扱いなど、詳細なルールは学校ごとに異なります。
一方、進学校は中高6年間で基礎学力をしっかり育て、大学受験を見据えた力を養うスタイルです。国公立大学や難関私立大を目指す柔軟性がありますが、その分中高での学習量は多く、保護者のサポートも重要になります。
進学実績を比較する際には、単に人数や合格者数を見るのではなく、学年全体の人数(母数)や進学率、進学先の学部など、より細かく見ていくことが大切です。
- 大学附属校:大学がほぼ確定している安心感。学部選択の自由度は要確認。
- 進学校:中高でじっくり進路を選べる。国公立や難関私大を目指せる柔軟性。
ここで重要なのは、「進学人数だけ」を見て判断しないこと。母数(学年全体の人数)や、外部進学の割合、人気の学部に進めるかどうかなど、細かい情報を確認しましょう。
どちらのパターンもメリット・デメリットがあるため、お子さんの志向や性格、将来像との相性を見て判断しましょう。
3. 学校のタイプ(校風・文化)
学校にはそれぞれ独自の「文化」や「価値観」があり、それは生徒の雰囲気や学校生活のスタイルに大きく影響します。偏差値や進学実績では測れない、この“見えづらい要素”こそが、子どもの学校生活に最も影響を与えることもあります。
たとえば、男子校・女子校・共学といった分類。同性だけの環境でのびのび育つ子もいれば、多様な価値観を吸収できる共学を好む子もいます。また、伝統校は厳格で落ち着いた雰囲気や卒業生とのネットワークが魅力。新鋭校は柔軟で革新的な取り組みが多く、探究型学習やICT導入に積極的です。
宗教についてもチェックが必要です。仏教系、カトリック、プロテスタントなどの理念は、行事や教育方針に反映されます。無宗教の学校でも「自主自立」「自由な校風」などが強く打ち出されているケースもあります。
これらの違いは、説明会や資料では伝わりにくいこともあるため、実際に見学し、子ども自身がその雰囲気を体感することが大切です。
- 男女校 or 共学
- 伝統校 or 新鋭校
- 宗教観(仏教、キリスト教、無宗教)
たとえば、共学でのびのびした環境を好む子もいれば、男子校・女子校の独自の文化や団結力に惹かれる子もいます。
伝統校ならではの落ち着きや母校愛、新鋭校の革新性・挑戦文化なども見逃せません。
パンフレットやHPでは見えづらい部分なので、説明会や学校見学で実際の雰囲気を体感するのが最も確実です。
4. 注力している学習分野
多くの中学が掲げる「先進的な教育プログラム」ですが、実際にはその内容と深さに大きな違いがあります。特にSTEM(理数教育)やグローバル教育、探究学習といった分野では、学校ごとに取り組み方や注力度合いが異なります。
パンフレットやHPでは、「理数系に力を入れています」「英語教育に注力」など、似たような言葉が並ぶことが多く、見分けがつきにくいのが実情です。
そこで注目したいのが、
- 実際にカリキュラムに組み込まれている授業の具体例
- 外部機関との連携の有無(大学や企業、NPOなど)
- 教師陣の専門性や熱意(専任講師か、外部講師かなど)
また、発表会やプレゼン機会の有無、探究学習の成果物をどのように評価しているかなども、学校の本気度を測るヒントになります。
できれば学校説明会では、授業の実施例や生徒の取り組み事例を具体的に聞いておくと比較しやすくなります。
しかし、ほとんどの学校が似たようなことを掲げており、見分けるのが難しいのも事実です。
注目ポイントは次のような点です:
- 教員の専門性(外部講師がいるか、研修を受けているか)
- カリキュラムの中でどの程度組み込まれているか
- 外部機関との連携(大学、企業、NPOなど)
学校説明会やパンフレットだけでは判断しきれないので、塾の先生に“実際の取り組みレベル”を聞いてみるのもおすすめです。
5. 環境・施設・雰囲気
最後に、子ども自身にとってもっとも「肌感覚」で選ぶ軸がこの項目です。通学時間や偏差値、学習内容も大事ですが、子どもにとっては「この学校に毎日通いたいかどうか」が非常に重要な判断材料になります。
施設面では、グラウンドや体育館、プール、図書館、理科実験室、ICT設備(iPadや電子黒板など)が整っているかを確認しましょう。これらは学習だけでなく、子どもの学校生活の満足度にも直結します。
行事の内容や雰囲気も見逃せません。体育祭・文化祭、修学旅行、合宿など、学校ごとの特色が色濃く出る部分であり、子どもが学校に「楽しさ」や「居場所」を見出す大事な機会でもあります。
また、部活動の種類や活動量、顧問の先生の関わり方なども子どもにとっては関心の高いポイントです。特に中学受験に向けて努力してきた子にとっては、学校生活の楽しさが受験の“ご褒美”となる側面もあります。
雰囲気は、言葉では表現しにくい部分だからこそ、実際に足を運んで生徒の様子や校内の空気感を感じることが最も信頼できる判断材料になります。
- 制服・部活動・グラウンド・体育館などの施設
- ICT(iPadなどの活用)、プログラミング対応状況
- 行事の雰囲気(体育祭、文化祭、修学旅行など)
- 先生や生徒の雰囲気、安心感
「この学校に通ってみたい」と感じるかどうかは、親よりもむしろ子ども自身が持つ直感や感情が大きく影響します。
学校見学での“感覚”も大事にしてあげてください。
まとめ:5つの軸で比較すれば、志望校選びはもっと納得できる!
受験校を決めるとき、「偏差値だけ」「家からの距離だけ」で決めてしまうのはもったいないことです。
今回紹介したように、
- 偏差値と通学距離
- 進学先(附属 or 進学校)
- 学校の文化・タイプ
- 学習分野への注力度
- 校風・環境・雰囲気
の5つの軸で整理すれば、親子ともに納得感のある選択がしやすくなります。
たくさんの選択肢に迷うからこそ、戦略的に絞り込んでいきましょう!!
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