予習シリーズ 小5理科(下)第3回「水溶液の中和」親子で押さえておきたいポイントまとめ
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小5理科(下)の第3回は「水溶液の中和」です。第1回・第2回で「もののとけ方」や「水溶液の性質」を学んできましたが、今回はその集大成。水溶液を見分ける5つの軸をおさえたうえで、酸性とアルカリ性を混ぜたときにおこる中和反応、そして中和の計算まで一気に進みます。
この回の最大の特徴は、「覚えること」と「考えること」がはっきり分かれていることです。指示薬の色・溶質の名前・電解質かどうかは純粋な暗記。一方、中和で残る固体の量やBTB液の色は、グラフを読んで考える問題です。ここで差がつきます。
親子で取り組むときは、「同じ色でも指示薬によって液性がちがう」という罠を最初に確認するのがおすすめです。むらさきキャベツ液で黄色=アルカリ性/BTB液で黄色=酸性。この1点を押さえるだけで、失点がぐっと減ります。
1 今回の単元、3つの柱
まず全体像をつかみましょう。第3回は、大きく次の3つに分かれます。
| 柱 | おさえる内容 | 最優先チェック |
|---|---|---|
| 水溶液の分類 | 液性・におい・溶質・電解質・色の5つの軸で見分ける | 5つの軸を「調べ方」とセットで |
| 中和反応の理解 | 酸性+アルカリ性 → 水と塩。何と何を混ぜるとどんな塩ができるか | 「水」と「塩」の2つができる |
| 中和の計算 | 塩酸+水酸化ナトリウム水溶液のケース。残る固体の量を考える | 折れ曲がり点=完全中和点 |
ポイント:この回は「分類(暗記)→中和(理解)→計算(応用)」の3段階です。まず分類を固めないと、中和の計算問題で何が残るのか判断できません。1の分類表を完璧にしてから2・3へ進むのが最短ルートです。
2 水溶液を見分ける5つの軸
水溶液を見分けるときは、次の5つの軸で調べます。「何を調べるか」と「どうやって調べるか」をセットで覚えましょう。
| 軸 | 調べ方 | 結果 |
|---|---|---|
| 液性 | 指示薬を使う(リトマス紙・BTB液・むらさきキャベツ液・フェノールフタレイン液) | 酸性/中性/アルカリ性 |
| におい | においをかぐ(直接かがず、手であおいでかぐ) | あり/なし |
| 溶質 | 水溶液を蒸発させる | 残る(固体)/残らない(気体・液体) |
| 電解質 | 水溶液に電気を流す | 通る=電解質/通らない=非電解質 |
| 色 | 目で見て確認 | あり/なし |
注意:においを調べるときは、鼻を直接近づけてはいけません。手であおぐようにしてかぐ——これは実験の安全ルールとして、そのまま記述問題でも問われます。
ポイント:溶質が「気体・液体」の水溶液は、蒸発させても何も残りません。「残る=固体が溶けている」と覚えると、後の分類が一気に楽になります。
3 液性を調べる4つの指示薬
液性(酸性・中性・アルカリ性)を調べるのが指示薬です。4つの指示薬の色の変化パターンを、表でしっかり整理しましょう。
| 指示薬 | 酸性 | 中性 | アルカリ性 |
|---|---|---|---|
| リトマス紙 | 青色→赤色(赤色は赤色のまま) | 変化なし(赤は赤、青は青のまま) | 赤色→青色(青色は青色のまま) |
| BTB液 | 黄色 | 緑色 | 青色 |
| フェノールフタレイン液 | 無色 | 無色 | 赤色 |
| むらさきキャベツ液 | 赤色(うすい酸性はピンク色) | むらさき色 | 緑色(強いアルカリ性は黄色) |
ポイント:BTB液は「黄・緑・青」の3色で3つの液性を示す、いちばん便利な指示薬です。一方、フェノールフタレイン液はアルカリ性かどうかしかわかりません(酸性と中性がどちらも無色)。「何が判別できるか」まで問われます。
注意:リトマス紙は「変化するかどうか」がキモです。酸性では青色リトマス紙が赤色に変わり、アルカリ性では赤色リトマス紙が青色に変わります。中性ではどちらも変化しません。「変化しなかった=中性」と即断してよいのは、赤と青の両方を試したときです。
気体が溶けた水溶液の液性の調べ方
気体が溶けた水溶液を加熱すると、溶けきれなくなった気体が出てきます。水でしめらせたリトマス紙を試験管の口に近づけると、出てきた気体がリトマス紙の水にとけ、その色の変化で液性を調べることができます。
ポイント:これがアンモニア水や塩酸の液性を調べる方法です。「加熱して気体を出し、リトマス紙で調べる」という手順まで押さえましょう。
4 間違いやすいポイント:同じ色でも指示薬で液性が違う
ここがこの回の最大の落とし穴です。同じ「黄色」でも、指示薬によって液性が正反対になります。
| 色 | その指示薬 | 液性 |
|---|---|---|
| 黄色 | むらさきキャベツ液 | アルカリ性 |
| 黄色 | BTB液 | 酸性 |
| 赤色 | むらさきキャベツ液 | 酸性 |
| 赤色 | フェノールフタレイン液 | アルカリ性 |
注意:問題文を読むときは、必ず「どの指示薬か」を最初に確認してください。むらキャベ=黄はアルカリ/BTB=黄は酸性、むらキャベ=赤は酸性/フェノール=赤はアルカリ。この4つを反射で言えるようにしましょう。
ポイント:もう一つの罠が「色が変わらない=中性とはかぎらない」です。リトマス紙は酸性でも色が変わらない場合がある(赤いリトマス紙に酸性の水溶液をつけると赤のまま)からです。「赤いリトマス紙を赤いままにした水溶液は、酸性か中性(どちらかは決められない)」と、慎重に答えましょう。
5 水溶液の分類①:液性で分ける
液性で分けると、次のようになります。
| 液性 | 水溶液 |
|---|---|
| 酸性 | 塩酸・炭酸水・酢酸水溶液・ホウ酸水溶液 |
| 中性 | 食塩水・砂糖水・アルコール水溶液 |
| アルカリ性 | アンモニア水・水酸化ナトリウム水溶液・石灰水(水酸化カルシウム水溶液)・重ソウ水(炭酸水素ナトリウム水溶液) |
ポイント:酸性は4つ、中性は3つ、アルカリ性は4つ。とくにアルカリ性の4つは「アンモニア・水ナト・石灰水・重ソウ水」と語呂でまとめましょう。石灰水・重ソウ水は正式名称(水酸化カルシウム水溶液・炭酸水素ナトリウム水溶液)でも出題されます。
6 水溶液の分類②:におい・溶質・電解質・色で分ける
においで分ける
| におい | 水溶液 |
|---|---|
| あり | 塩酸・酢酸水溶液・アンモニア水・アルコール水溶液 |
| なし | 炭酸水・ホウ酸水溶液・食塩水・砂糖水・石灰水・重ソウ水 |
注意:「酸性=においがある」わけではありません。塩酸・酢酸水溶液はにおいがありますが、炭酸水・ホウ酸水溶液は酸性でもにおいなし。アンモニア水はアルカリ性でにおいありです。
溶質の状態で分ける
水溶液に溶けているものが溶質です。溶質が気体・液体・固体のどれかで分けられます。
| 溶質の状態 | 水溶液 | 蒸発させると |
|---|---|---|
| 気体 | 塩酸(塩化水素)・炭酸水(二酸化炭素)・アンモニア水(アンモニア) | 何も残らない |
| 液体 | アルコール水溶液(アルコール)・酢酸水溶液(酢酸) | 何も残らない |
| 固体 | 食塩水(塩化ナトリウム)・ホウ酸水溶液(ホウ酸)・水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム)・石灰水(水酸化カルシウム)・重ソウ水(炭酸水素ナトリウム)・砂糖水(砂糖) | 固体が残る |
ポイント:気体・液体が溶けた水溶液は、蒸発させても何も残りません。この「残らない」が中和の計算問題で効いてきます——塩酸は気体が溶けているので、蒸発させても塩酸そのものは残らないのです。
注意:砂糖水を蒸発させると、こげて黒い固体が残ります。他の固体は白い固体。「黒い=砂糖水」と覚えておくと、実験結果の判定問題で使えます。
電解質で分ける
| 区分 | 水溶液 |
|---|---|
| 電解質(電気を通す) | ほとんどの水溶液(酸性・アルカリ性の水溶液すべて+中性の食塩水など) |
| 非電解質(電気を通さない) | アルコール水溶液・砂糖水 |
注意:中性でも電気を通すのは食塩水、通さないのは砂糖水・アルコール水溶液。「中性=電気を通さない」ではありません。ここは混同しやすいので要注意です。
色で分ける
| 色 | 水溶液 |
|---|---|
| あり | 塩化鉄水溶液・硫酸銅水溶液(銅・コバルト・ニッケル・鉄・マンガンなどの金属を含む水溶液は色がついている) |
| なし | ほとんどの水溶液 |
ポイント:「色がついた水溶液は金属が溶けている」と覚えましょう。硫酸銅水溶液は青、塩化鉄水溶液は黄色です。
7 電解質とイオン、そしてpH
電解質・非電解質とは
水溶液にしたとき、電流を通す物質を電解質、通さない物質を非電解質といいます。
ポイント:電解質=アンモニア・塩酸・水酸化ナトリウム・食塩・ホウ酸など。非電解質=アルコール・砂糖・デンプンなど。「砂糖・アルコール・デンプンは非電解質」と3つセットで覚えましょう。
なぜ電流が流れるのか
水溶液に電流が流れるのは、水にとけた電解質がイオンという、+と−の電気をもった小さな粒に分かれるからです。酸性やアルカリ性を示す水溶液や食塩水は、水にとけるとイオンに分かれるので電気が流れます。一方、アルコールや砂糖などの非電解質は、水にとけてもイオンに分かれないので電流が流れません。
注意:流れる電流の大きさは、水溶液の温度が高いほど・電極の間がせまいほど・水溶液にとけている物質が多いほど大きくなります。3つの条件をセットで押さえましょう。
pH(ピーエイチ)
pHとは、その液体が酸性・中性・アルカリ性のどこに分類されるかをはかる尺度です。
- pHが7のとき中性。
- 7より小さい=酸性、7より大きい=アルカリ性。
- pHは0から14まであります。
身近なものにも当てはめてみましょう。アルカリ性:石けん水・海水、酸性:胃液・酢・レモン汁。
ポイント:「7が真ん中、小さいほうが酸性」。数字の大小と液性の向きを、指で押さえながら確認しましょう。
8 中和反応とは
中和反応のしくみ
酸性の水溶液にアルカリ性の水溶液を加えていくと、酸の性質がだんだん弱くなります。反対に、アルカリ性の水溶液に酸性の水溶液を加えていくと、アルカリの性質が弱くなります。
このように、酸とアルカリの性質がたがいに打ち消し合う反応を中和反応(中和)といいます。そして、水溶液がちょうど中性を示したときを完全中和といいます。
中和反応によって、元の溶質とは別の物質である水と、塩(えん)とよばれる物質ができます。
注意:中和=「中性にする」ことではありません。「酸性とアルカリ性が打ち消し合う反応」が中和です。完全中和したときだけ中性になる、という順序を正確に押さえましょう。
塩(えん)とは
塩(えん)とは、酸性とアルカリ性の性質がくっついて、どちらの性質も無くなった物質です。また、中和反応のときには「熱」が出ます。
中和反応の例
| 酸性 | アルカリ性 | できるもの |
|---|---|---|
| 塩酸 | 水酸化ナトリウム水溶液 | 水 + 塩化ナトリウム(食塩) |
塩酸は塩化水素という気体、水酸化ナトリウム水溶液は水酸化ナトリウムという固体が溶けています。だから、中和させたあとに水分を蒸発させると、固体である食塩だけが残るのです。
ポイント:できる物質の名前は、反応する物質の名前からだいたい決まります。「塩化〜」と「〜ナトリウム」が組み合わさるイメージで覚えましょう。
中和反応の一覧
| 酸性の水溶液 | + | アルカリ性の水溶液 | → | できる塩 |
|---|---|---|---|---|
| 塩酸 | + | 水酸化ナトリウム水溶液 | → | 塩化ナトリウム(食塩) |
| 塩酸 | + | 石灰水(水酸化カルシウム水溶液) | → | 塩化カルシウム |
| 塩酸 | + | アンモニア水 | → | 塩化アンモニウム |
| 炭酸水 | + | 石灰水(水酸化カルシウム水溶液) | → | 炭酸カルシウム |
| 硫酸 | + | 水酸化ナトリウム水溶液 | → | 硫酸ナトリウム |
ポイント:炭酸水+石灰水では炭酸カルシウムができます。石灰水に気体を通すと白く濁る実験と同じ物質で、炭酸水は二酸化炭素が溶けた水溶液だから白く濁るのです。
注意:中和でできる塩の水溶液が、いつも中性とはかぎりません。強い酸と強いアルカリでできる塩(塩化ナトリウム・塩化カルシウムなど)の水溶液は中性ですが、塩化アンモニウム水溶液は酸性、炭酸ナトリウム水溶液はアルカリ性を示します。
9 中和反応で出てくる固体:2つのパターン
中和の計算問題では、塩酸+水酸化ナトリウム水溶液の組み合わせが頻出です。ただし、問題には2つのパターンがあります。まずどちらのパターンかを読み取ることが第一歩です。
| パターン | 加えていくもの | 完全中和より前 | 完全中和 | 完全中和より後 |
|---|---|---|---|---|
| ① 塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加える | 水酸化ナトリウム水溶液 | 塩化ナトリウム(食塩)のみ | 食塩のみ | 食塩+水酸化ナトリウム(アルカリ性) |
| ② 水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を加える | 塩酸 | 食塩のみ | 食塩のみ | 食塩のみ(塩酸は気体なので蒸発して残らない) |
パターン①の考え方(塩酸にアルカリを加える)
- はじめは塩酸だけなので、蒸発させても何も残りません。
- 水酸化ナトリウム水溶液を加えると食塩と水ができるので、食塩が固体として残り、だんだん増えていきます。
- グラフが折れ曲がる点が完全中和点です。
- さらに加えても反応は起きないので、加えた水酸化ナトリウムの分だけが残っていきます。
パターン②の考え方(アルカリに酸を加える)
- はじめは水酸化ナトリウム水溶液だけなので、その固体だけが残ります。
- 塩酸を加えると食塩ができ、重さは増えます。
- グラフの折れ曲がり点が完全中和点です。
- さらに塩酸を加えても反応せず、蒸発させても塩酸は気体になるので、重さは変わりません。
注意:パターン①と②で、完全中和より後に残るものが違います。①は「水酸化ナトリウムが残る=アルカリ性」、②は「塩酸は残らないので固体は食塩のみ」。ここを混同すると、グラフ問題でまるごと失点します。
ポイント:BTB液の色の変化もあわせて確認しましょう。パターン①では「黄色(酸性)→緑色(中性)→青色(アルカリ性)」、パターン②では「青色→緑色→黄色」と、逆向きになります。
注意:塩酸は気体が溶けた水溶液なので、蒸発させると塩酸は残りません。だからパターン②で完全中和をこえた分の塩酸は、固体としてカウントされないのです。ここが計算問題の分かれ目です。
10 中和と発熱
中和反応が起きるときには、熱が出ます。だからビーカーなどの容器に手をふれると、あたたかく感じます。
10%の水酸化ナトリウム水溶液100㎤に10%の塩酸を少しずつ加えて中和するときの温度変化を見てみましょう。
- 反応が起きている間は、熱が発生しているので温度は上がり続けます。
- 完全中和したあとは熱を発生しないので、加えた塩酸(もとの温度)によって温度は下がります。
ポイント:「温度が上がり続けている間=中和が進んでいる間」、「下がり始めたら=完全中和をこえた」と読み取ります。グラフの山の頂点が完全中和点です。
11 中和の計算
計算の原則
中和の計算では、「酸とアルカリのうち、足りない方(全部が中和反応に使われる方)の量と、できる塩の量が比例する」ことを利用します。
そして、蒸発後に残った固体の重さのグラフでは、折れ曲がった点が完全中和点です。
ポイント:「完全中和点までは、できる塩(食塩)が増えていく」、「完全中和点から先は、塩が増えない(または加えた分だけ残る)」。この2段構えを、グラフの形でイメージできるようにしましょう。
例題1:完全中和させる量を求める
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液をいろいろな割合で混ぜて完全中和させたところ、体積の関係は「塩酸:水酸化ナトリウム水溶液=30:20」でした。
(1)塩酸180㎤を完全中和させるのに必要な水酸化ナトリウム水溶液は何㎤ですか。
(2)塩酸50㎤と水酸化ナトリウム水溶液40㎤を混ぜたものにBTB液を入れると、何色になりますか。
解答:(1)120㎤ (2)青色
解説:完全中和の割合を塩酸:水酸化ナトリウム水溶液=30:20(=3:2)と読み取ります。
(1)求める体積をxとすると、30:20=180:x より x=120㎤。
(2)水酸化ナトリウム水溶液40㎤と完全中和する塩酸の量は、30:20=y:40 より y=60㎤。ところが加えた塩酸は50㎤しかないので、水酸化ナトリウム水溶液が余っていてアルカリ性。よってBTB液は青色になります。
注意:「どちらが多いか」を必ず確認しましょう。BTB液で考えるときは、余っている方が液性を決めます。塩酸が多ければ黄色、水酸化ナトリウム水溶液が多ければ青色、ちょうどなら緑色です。
例題2:残った固体を求める
同じ塩酸50㎤ずつをとり、同じ水酸化ナトリウム水溶液をAに10㎤、Bに20㎤、Cに30㎤、Dに40㎤、Eに50㎤加えました。その後、水分を蒸発させ、残った固体の重さを調べるとグラフのようになりました。このとき、B・Dにはそれぞれどのような物質が何gずつ残っていますか。
解答:B 食塩78g/D 食塩117gと水酸化ナトリウム27g
解説:グラフが折れ曲がっているCが完全中和点です。これより水酸化ナトリウム水溶液が少ないBでは、蒸発させたときに残る固体はすべて食塩です(だから78g)。完全中和点より後は、水酸化ナトリウム水溶液10㎤あたり27g(144−117)の水酸化ナトリウムだけが増えていくので、Dでは食塩117gのほかに水酸化ナトリウム27gが残ります。
ポイント:「折れ曲がり点の前=食塩だけ」「折れ曲がり点の後=食塩は増えない」。この2つを押さえるだけで、この手の問題はほぼ解けます。
12 身近な中和反応
中和は、実験室の中だけでなく、わたしたちの身のまわりでも使われています。
| 場面 | しくみ |
|---|---|
| アリにかまれたとき | アリの毒は酸性(ギ酸)。アンモニア水をつけると中和されてはれが少なくなる |
| 畑の土づくり | 酸性に傾いた土に石灰をまいて中和する |
| 胃薬 | 胃酸(酸性)を、アルカリ性の薬で中和する |
| 石けん水 | もともとアルカリ性。手についたときは酸性のものをうすめて中和する |
注意:「アリの毒は酸性 → アンモニア水(アルカリ性)で中和」。「酸性のものをアルカリ性で中和する」向きを、言葉で説明できるようにしましょう。
13 水溶液の性質まとめ(一覧表)
最後に、この回の水溶液をひとつの表にまとめます。テスト前はこの表を上から指で追って確認しましょう。
| 水溶液 | 液性 | 溶質 | 状態 | 電解質 | におい |
|---|---|---|---|---|---|
| 塩酸 | 酸性 | 塩化水素 | 気体 | 電解質 | あり |
| 炭酸水 | 酸性 | 二酸化炭素 | 気体 | 電解質 | なし |
| 酢酸水溶液 | 酸性 | 酢酸 | 液体 | 電解質 | あり |
| ホウ酸水溶液 | 酸性 | ホウ酸 | 固体 | 電解質 | なし |
| 食塩水 | 中性 | 塩化ナトリウム | 固体 | 電解質 | なし |
| 砂糖水 | 中性 | 砂糖 | 固体 | 非電解質 | なし |
| アルコール水溶液 | 中性 | アルコール | 液体 | 非電解質 | あり |
| アンモニア水 | アルカリ性 | アンモニア | 気体 | 電解質 | あり |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | アルカリ性 | 水酸化ナトリウム | 固体 | 電解質 | なし |
| 石灰水(水酸化カルシウム水溶液) | アルカリ性 | 水酸化カルシウム | 固体 | 電解質 | なし |
| 重ソウ水(炭酸水素ナトリウム水溶液) | アルカリ性 | 炭酸水素ナトリウム | 固体 | 電解質 | なし |
ポイント:非電解質は「砂糖水」と「アルコール水溶液」の2つだけ、におい「あり」は「塩酸・酢酸水溶液・アンモニア水・アルコール水溶液」の4つだけ。例外を覚えるのが得点への近道です。
14 親子で最終チェック!10問クイズ
Q1. BTB液は、酸性・中性・アルカリ性のとき、それぞれ何色を示しますか。また、フェノールフタレイン液はアルカリ性のとき何色になりますか。
答えを見る
BTB液は酸性=黄色/中性=緑色/アルカリ性=青色。フェノールフタレイン液はアルカリ性=赤色(酸性と中性では無色)です。フェノールフタレイン液はアルカリ性かどうかを調べるのに使われます。
Q2. むらさきキャベツ液で「黄色」、BTB液で「黄色」を示す水溶液は、それぞれ何性ですか。
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むらさきキャベツ液で黄色=アルカリ性(強いアルカリ性)、BTB液で黄色=酸性です。同じ「黄色」でも指示薬によって液性が正反対になります。また、むらさきキャベツ液で赤色=酸性、フェノールフタレイン液で赤色=アルカリ性です。
Q3. 水溶液の「におい」を調べるときの正しい方法を答えなさい。また、においのある水溶液を4つあげなさい。
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直接かがずに、手であおぐようにしてかぐのが正しい方法です。においのある水溶液は塩酸・酢酸水溶液・アンモニア水・アルコール水溶液の4つです。
Q4. 次の水溶液を「溶質が気体・液体・固体」のどれかに分けなさい。①塩酸 ②アルコール水溶液 ③食塩水 ④アンモニア水 ⑤酢酸水溶液 ⑥石灰水
答えを見る
気体=①塩酸(塩化水素)・④アンモニア水(アンモニア)、液体=②アルコール水溶液(アルコール)・⑤酢酸水溶液(酢酸)、固体=③食塩水(塩化ナトリウム)・⑥石灰水(水酸化カルシウム)です。気体・液体が溶けた水溶液は、蒸発させても何も残りません。
Q5. 水溶液にしたとき、電流を通す物質を何といいますか。また、電流を通さない水溶液を2つあげなさい。
答えを見る
電解質といいます(通さないのは非電解質)。通さない水溶液は砂糖水とアルコール水溶液です。中性でも食塩水は電気を通すので、「中性=通さない」としないよう注意しましょう。電流が流れるのは、電解質が水にとけてイオンに分かれるためです。
Q6. 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液が打ち消し合う反応を何といいますか。また、この反応でできる2つのものは何ですか。
答えを見る
中和反応(中和)といいます。できるのは水と塩(えん)です。水溶液がちょうど中性を示したときを完全中和といい、中和のときには熱が出ます。
Q7. 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を中和させたときできる塩の名を答えなさい。また、塩酸とアンモニア水、炭酸水と石灰水を中和させたときできる塩の名をそれぞれ答えなさい。
答えを見る
塩酸+水酸化ナトリウム水溶液 → 塩化ナトリウム(食塩)。塩酸+アンモニア水 → 塩化アンモニウム、炭酸水+石灰水 → 炭酸カルシウムです。できる塩の名前は、反応する物質の名前からだいたい決まります。
Q8. 塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えていき、蒸発させて残る固体の量を調べました。①完全中和より前 ②完全中和のとき ③完全中和より後 のそれぞれで、残る固体は何ですか。また液性はそれぞれ何性ですか。
答えを見る
①食塩のみ(酸性) ②食塩のみ(中性) ③食塩と水酸化ナトリウム(アルカリ性)です。グラフが折れ曲がる点が完全中和点で、それより後は加えた水酸化ナトリウムの分だけが残ります。
Q9. 水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を加えていき、蒸発させて残る固体の量を調べました。完全中和より後に塩酸を加えても、残る固体の重さが変わらないのはなぜですか。
答えを見る
塩酸は気体(塩化水素)が溶けた水溶液なので、蒸発させても固体として残らないからです。また、完全中和より後は中和反応が起きないため食塩も増えません。パターン①(塩酸にアルカリを加える)では水酸化ナトリウムが固体で残って増えていくのと対照的です。
Q10. 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜて完全中和させるとき、溶液の温度はどう変化しますか。理由もあわせて答えなさい。
答えを見る
反応が起きている間は、熱が発生するので温度は上がり続けます。完全中和したあとは熱を発生しないので、加えた塩酸(もとの温度)によって温度は下がります。つまり、グラフの山の頂点が完全中和点です。
15 まとめ:取り組み方のコツ
1. 「どの指示薬か」を最初に確認する むらキャベ=黄はアルカリ/BTB=黄は酸性、むらキャベ=赤は酸性/フェノール=赤はアルカリ。問題を読んだら、まず指示薬の名前を丸で囲みましょう。この一手間で失点が激減します。
2. 分類表は「例外」から覚える 非電解質は砂糖水とアルコール水の2つだけ、においありは4つだけ、気体・液体が溶けた水溶液は蒸発しても何も残らない。「ほとんど」を覚えるより、例外を覚えるほうが速くて忘れません。
3. 中和のグラフは「折れ曲がり点」を探す 折れ曲がり点=完全中和点。そこから左(前)と右(後)で何が残るかを、パターン①・②それぞれで言えるようにしましょう。BTB液の色も逆向きになることをセットで確認します。
4. 計算は「どちらが多いか」から 中和の計算は、「足りない方の量とできる塩の量が比例する」が原則。まず完全中和の割合をグラフから読み取り、どちらが余っているかを判断します。余った方が液性を決める——これがBTB液の色の問題の解き方です。
最後に:水溶液の中和は、「酸性とアルカリ性が打ち消し合って、水と塩ができる」というシンプルな1本の線で貫かれています。「分類は暗記、中和はしくみ、計算はグラフ」と役割を分けて整理できたら大成功。テスト前は、この記事の一覧表とクイズを親子で回してみてください。本日の伴走、おつかれさまでした!
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