予習シリーズ 小5理科(下)第4回「ヒトと動物の消化・吸収」親子で押さえておきたいポイントまとめ

予習シリーズ 小5理科(下)第4回「ヒトと動物の消化・吸収」親子で押さえておきたいポイントまとめ

小5理科(下)の第4回は「ヒトと動物の消化・吸収」です。第1回「生物のつながり」で食物連鎖と養分の流れを学んだその続きで、今回は「食べたものが、からだに取り込める形に変わっていくしくみ」を、消化管の順路・消化液・消化酵素・吸収の4段階で追いかけます。

この回の最大のポイントは、「3つの栄養素 × 分解の段階」が表で整理できることです。炭水化物は でんぷん → 麦芽糖 → ブドウ糖、タンパク質は タンパク質 → ペプトン → アミノ酸、脂肪は 脂肪 → 脂肪酸+モノグリセリド——この3本の階段を覚えると、消化酵素の問題はほとんど解けます。

親子で取り組むときは、「どの消化液が、どの栄養素を、どの段階で分解するか」を声に出して確認するのがおすすめです。消化液は5つ(だ液・胃液・すい液・胆汁・腸液)、消化酵素は6つ(アミラーゼ・マルターゼ・ペプシン・トリプシン・エレプシン・リパーゼ)——この2つの数を最初に押さえましょう。


1 今回の単元、6つの柱

まず全体像をつかみましょう。第4回の出題は、大きく次の6分野に分かれます。

分野 おさえる内容 最優先チェック
5大栄養素 炭水化物・タンパク質・しぼう・ビタミン・ミネラルの役割と多くふくまれる食品 タンパク質=からだをつくる材料
消化の流れと消化管 口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門 食道に消化のはたらきはない
消化液と消化酵素 5つの消化液と6つの消化酵素の関係 胆汁には消化酵素がない
3栄養素の分解 でんぷん→麦芽糖→ブドウ糖/タンパク質→ペプトン→アミノ酸/脂肪→脂肪酸+モノグリセリド 3本の階段を順番どおりに
吸収と肝臓 柔毛、毛細血管とリンパ管の使い分け、門脈、肝臓のはたらき 水に溶けにくい=リンパ管
動物の消化器官 フナのからだ、肉食・草食・雑食の歯と消化管の長さ 草食動物ほど消化管が長い

ポイント:この回は「表と階段で整理する」のがいちばん効率的な単元です。まずこの表の6分野を1行ずつ声に出して、「何の話か」を確認してみてください。


2 食物と5大栄養素

動物は、食物から生きていくためのエネルギーや、からだをつくる材料を取り入れています。食物には炭水化物・タンパク質・しぼう・ビタミン・ミネラルの5大栄養素がふくまれています。

栄養素 はたらき 多くふくまれる食品
炭水化物 主に生きていくためのエネルギー源になる 米・パンなどの小麦・いも類・豆類
タンパク質 筋肉・臓器・皮ふ・毛などからだをつくる材料になる 肉類・魚類・卵・乳製品・大豆
しぼう 活動エネルギー源と、体内のさまざまな機能を助ける 肉・魚・バター・植物油・卵・くるみ
ビタミン からだの調子を整えたり、成長を助けたりする 野菜・果物・乳製品・魚類
ミネラル 骨や歯、血液の成分となり、体内のバランス調整に必要 ナッツ・レバー・牛乳・小魚・海そう

ビタミンは「水に溶けるか、油に溶けるか」で2つに分かれる

種類 ビタミン 覚え方
水溶性(水に溶けやすい) ビタミンB1・B2・C 水に溶ける=BとC
脂溶性(油に溶けやすい) ビタミンA・D・E 油に溶ける=A・D・E

ポイント:「炭水化物=エネルギー源」「タンパク質=からだの材料」「しぼう=エネルギー源+機能を助ける」。この3つの役割のちがいを、最初に区別しておきましょう。とくに「からだをつくるのはタンパク質」が最優先です。

注意:ビタミンとミネラルは役割が似ていて混同しやすいので、「ビタミン=調子を整える/成長を助ける」「ミネラル=骨・歯・血液の成分になる」と区別します。カルシウム・鉄・リン・ナトリウム・カリウムはミネラルの仲間です。

ビタミンCの不足と壊血病

昔、長距離を移動する船乗りの間で流行った病気に壊血病(かいけつびょう)があります。これはビタミンCが不足することによって起こる病気でした。長い航海では、野菜や果物を食べる機会が少なくなるからです。

ビタミンCは野菜や果物に多くふくまれています。

ポイント:「壊血病=ビタミンC不足」。「どの栄養素が不足すると、どの病気になるか」という形で出題されます。


3 消化の流れと消化管

消化とは

食物にふくまれるデンプン・タンパク質・しぼうなどの養分は、そのままでは体内に吸収することができません。これらの養分を体内に吸収できる細かいつぶに変えるはたらきを消化といいます。

消化管と消化器官

用語 内容
消化管 口から入って、食道・胃・小腸・大腸などを通って肛門まで続く、食物が通る管
消化器官 消化管と、肝臓・胆のう・すい臓など、消化に関係のある器官を合わせたもの

肝臓・胆のう・すい臓は、食物の通り道ではありませんが、消化液をつくったり、たくわえたりする器官です。

食物が通る順番

口 → 食道 → 胃 → 十二指腸 → 小腸 → 大腸 → 肛門

部位 内容
口 歯で食物を小さくし、だ液で消化する。だ液せんには耳下せん・舌下せん・がっ下せんの3種類がある
食道 25cmほどの筋肉の管で、口から胃に食物を送る。消化のはたらきはない
胃 1.5Lほど入る内側のふくろで、胃液を出す。胃液には0.4〜0.5%の塩酸がふくまれ、食物の殺菌をするほか、胃液のはたらきを助ける
十二指腸 胆汁とすい液で消化する。胆のう・すい臓とつながっている
小腸 6〜7mほどの筋肉の管。十二指腸・空腸・回腸に分けてよぶこともある。養分を吸収する
大腸 1.5mほどの筋肉の管。四かくもう腸・結腸・直腸に分けてよぶこともある。水分を吸収する
肛門 残りかすを排出する

食の消化は小腸で終了し、養分として吸収されます。

注意:「食道は食物を送るだけで、消化のはたらきはない」——ここが最初の引っかけです。「消化液を出さない器官」を選ばせる問題がよく出ます。

ポイント:小腸は6〜7m、大腸は1.5m、食道は25cm。「小腸がいちばん長い」と、長さの順で覚えましょう。


4 消化液と消化酵素の全体像

この単元のしくみは、3つのポイントで説明できます。

ポイント 内容
① 3栄養素(炭水化物・タンパク質・しぼう)は、そのままでは体に吸収できない
② 体に取り込める形に分解する必要がある。それが「消化酵素」
③ 消化液は、消化酵素をふくんだ液体

消化酵素には役割があります。

  • 炭水化物には アミラーゼ
  • しぼうには リパーゼ
  • タンパク質には(ペプシン・トリプシン・エレプシン)など

消化液の例

消化液 ふくまれる主な消化酵素
だ液 アミラーゼ
すい液 アミラーゼ・トリプシン・リパーゼ など

覚えてほしいこと

  1. 3栄養がどう分解されるか
  2. 消化酵素には何があるか
  3. 消化液には何があり、体のどこで使われるか

ポイント:「消化液=消化酵素をふくんだ液体」という関係をまず押さえましょう。消化液は5つ、消化酵素は6つ——数えられるようにしておくと整理しやすくなります。


5 3栄養素の分解の流れ(最重要)

栄養素 分解の階段 体に吸収される物質
炭水化物 でんぷん →(アミラーゼ)→ 麦芽糖 →(マルターゼ)→ ブドウ糖 ブドウ糖
タンパク質 タンパク質 →(ペプシン・トリプシン)→ ペプトン(ペプチド) →(エレプシン)→ アミノ酸 アミノ酸
しぼう しぼう →(リパーゼ)→ しぼう酸 + モノグリセリド しぼう酸とモノグリセリド

消化は段階的に進んでいきます。

消化酵素の種類(6つ)

消化酵素 はたらき
アミラーゼ でんぷんを麦芽糖に変える(だ液・すい液にふくまれる)
マルターゼ 麦芽糖をブドウ糖に変える(腸液にふくまれる)
ペプシン タンパク質をペプトン(ペプチド)に変える(胃液にふくまれる)
トリプシン タンパク質をペプトン(ペプチド)に変え、分解を進める(すい液にふくまれる)
エレプシン ペプトン(ペプチド)をアミノ酸に変える(腸液にふくまれる)
リパーゼ しぼうをしぼう酸とモノグリセリドに変える(すい液にふくまれる)

注意:「麦芽糖」「ペプトン」は“中間の物質”です。「体に吸収される物質」まで進むのは、でんぷん=ブドウ糖、タンパク質=アミノ酸、しぼう=しぼう酸とモノグリセリド。中間で止めてしまうのが最大のミスです。

ポイント:アミラーゼは「でんぷん→麦芽糖」までしか進めません。ブドウ糖にするのはマルターゼ——同じ炭水化物でも酵素が2つという点が、いちばん差がつきます。


6 5つの消化液(作られる場所・出る場所)

消化液 作られる場所 出る場所 ふくまれる消化酵素
だ液 口(だ液せん)でつくられ 口から出る アミラーゼ
胃液 胃でつくられ 胃から出る ペプシン
すい液 すい臓でつくられ 十二指腸から出る アミラーゼ・トリプシン・リパーゼ
胆汁 肝臓でつくられ、胆のうでためられ 十二指腸から出る 消化酵素はなし(乳化作用によりしぼうを消化されやすくする)
腸液 小腸でつくられ 小腸から出る マルターゼ・エレプシン

胆汁の「乳化作用」

胆汁には消化酵素がふくまれていません。しかししぼうを細かいつぶにして、消化液と混ざりやすくするはたらきがあります。これを乳化作用といいます。

消化酵素をふくまないということは、栄養素を変化させる力がないということです。では何のためにあるのかというと、しぼうを細かい粒にする作用(乳化作用)のためです。

ポイント:「胆汁=肝臓でつくられ、胆のうにためられ、十二指腸から出る」——つくられる場所と出る場所がちがうのが胆汁です。すい液も「すい臓でつくられ、十二指腸から出る」と、出る場所が作る場所とちがう点で共通します。

注意:「消化酵素をもたない消化液=胆汁」は必出です。「3つの栄養素を分解する消化液=すい液」(アミラーゼ・トリプシン・リパーゼの3つをもつ)も、セットで問われます。


7 消化のまとめ表(栄養素 × 消化液)

部位 消化液 炭水化物 タンパク質 しぼう
口 だ液 でんぷん ⇩アミラーゼ 麦芽糖 — —
胃 胃液 — タンパク質 ⇩ペプシン ペプトン —
十二指腸 胆汁 — — 乳化作用(細かいつぶに)
十二指腸 すい液 でんぷん ⇩アミラーゼ 麦芽糖 タンパク質 ⇩トリプシン ペプトン しぼう ⇩リパーゼ しぼう酸・モノグリセリド
小腸 ちょう液(腸液) 麦芽糖 ⇩マルターゼ ブドウ糖 ペプトン ⇩エレプシン アミノ酸 —

この表が「3つの栄養素 × 5つの消化液」の全体地図です。

ポイント:「すい液だけが3つの栄養素すべてを分解する」。すい液は、糖にもタンパク質にもしぼうにも消化酵素をもっている——これがまとめ表の核心です。

注意:炭水化物の分解は「口 → 十二指腸 → 小腸」の3か所、タンパク質は「胃 → 十二指腸 → 小腸」の3か所。しぼうは「十二指腸」の1か所(胆汁の乳化+すい液のリパーゼ)です。


8 消化の実験(デンプンとだ液)

実験① デンプンの消化

試験管A〜Cにデンプンのりを入れ、下の表のようにしてしばらく置きました。

試験管 だ液 温度
A 加える 37℃
B 加えない 37℃
C 加える 5℃

その後、液の見た目やねばりけ、ヨウ素液・フェーリング液(またはベネジクト液)との反応を調べました。

フェーリング液やベネジクト液は、糖に反応する薬品で、液を熱して反応させると、糖があるときに青色から赤かっ色(だいだい色)に変化します。

試験管 見た目・ねばりけ ヨウ素液 フェーリング液
A 透明・さらさら 変化なし 赤かっ色
B 白・ねばりけあり 青紫色 変化なし
C 白・ねばりけあり 青紫色 変化なし

試験管Aでのみヨウ素液の反応が起こらず、フェーリング液が反応していることから、中のデンプンが糖に変化したと考えられます。したがって、だ液はヒトの体温ぐらいでよくはたらき、デンプンを糖に変えるはたらきがあることがわかります。

実験② 消化酵素と温度

沸とうさせてから冷ましただ液を入れた試験管Dを用意し、デンプンのりを加えて37℃に保ちました。また、①の試験管Cをあたためて37℃に保ちました。このあと、ヨウ素液・フェーリング液との反応を調べました。

試験管 ヨウ素液 フェーリング液
沸とうさせただ液のD 青紫色 変化なし
37℃にしたC 変化なし 赤かっ色

これらの結果から、だ液は5℃くらいまで冷やすとはたらかなくなるが、ヒトの体温近くまでもどすと再びはたらくようになることがわかります。また、高温にすると、体温くらいにもどしてもだ液ははたらかなくなることがわかります。これは消化酵素がタンパク質でできているためです。

冷凍した肉を解凍すると元のようになりますが、焼いてしまうと冷やしても元にもどらないのと同じで、加熱によってタンパク質の性質が変わってしまいます。

ポイント:「だ液が最もよくはたらくのは約37℃(体温)」。低温でははたらかないが、もどすとはたらく/高温後はもどしてもはたらかない——この対比が実験問題の中心です。

注意:「高温後にもどしてもはたらかないのは、タンパク質が高温で壊れてしまうから」。「低温では壊れないのでまた働く」——「壊れる」と「はたらかない」の違いを区別しましょう。


9 養分の吸収

柔毛(じゅうもう)

小腸までの消化管を通ってくる間に細かいつぶに消化された養分は、小腸で吸収されます。

  • 小腸の内側のかべには、たくさんのひだがあります。
  • そのひだの表面に、柔毛という1mmくらいの小さな突起があります。
  • その数はとても多く、1平方mmあたりに18〜40個もあり、そこから消化された養分を吸収しています。
  • ひだや柔毛は、小腸の内側の表面積を大きくし、養分を効率よく吸収するのに役立っています。

吸収された養分の行き先

養分 通り道 覚え方
ブドウ糖 毛細血管 → 門脈 → 肝臓 水に溶けやすい
アミノ酸 毛細血管 → 門脈 → 肝臓 水に溶けやすい
ビタミンC 毛細血管 水に溶けやすい
しぼう酸 リンパ管 水に溶けにくい
モノグリセリド リンパ管 水に溶けにくい
ビタミンD リンパ管 水に溶けにくい
  • 水に溶けやすい養分は柔毛の中の毛細血管に吸収され、門脈という血管を通って肝臓に運ばれます。
  • しぼう酸とモノグリセリドは柔毛の中に入った後、再びしぼうになり、水に溶けにくいビタミンDなどとともにリンパ管に吸収されます。
  • リンパ管は肝臓の近くで血管につながっていて、養分は血液に入ります。

肝臓のはたらき

肝臓に運ばれたブドウ糖の一部は、グリコーゲンという物質になります。また、アミノ酸の一部から、からだに必要なタンパク質をつくります。

このほか肝臓には、有毒な物質を無毒にしたり、熱を発生させて体温を保つなどのはたらきがあります。

肝臓のはたらき 内容
① ブドウ糖をグリコーゲンとしてたくわえる
② アミノ酸から、からだに必要なタンパク質をつくる
③ 有毒な物質を無毒にする
④ 熱を発生させて体温を保つ

ポイント:「水に溶けやすい → 毛細血管/水に溶けにくい → リンパ管」。ブドウ糖・アミノ酸・ビタミンC=毛細血管、しぼう酸・モノグリセリド・ビタミンD=リンパ管と、水溶性のビタミン(B・C)と脂溶性のビタミン(A・D・E)の分類と連動させて覚えましょう。

注意:「ブドウ糖やアミノ酸は門脈を通って肝臓へ」という通り道の名前まで問われます。「毛細血管 → 門脈 → 肝臓」の3ステップで覚えましょう。


10 動物の消化器官① フナのからだ

からだのつくりを観察するとき、フナなどの魚を解ぽうしてそのつくりを調べることがあります。

フナの消化管

フナの消化管は、口から肛門までつながった1本の長い管になっています。ヒトのように、胃・小腸・大腸のちがいがはっきりしていません。

飲みこまれた食物は、肛門の方へ送られながら、消化液でとろどろにとかされます。消化された養分は消化管のかべから吸収され、残りかすは肛門から排出されます。

フナのからだのつくり

器官 はたらき
えら 呼吸を行う
うきぶくろ 浮き沈みの調節を行う
心臓 血液を送り出す
らんそう(卵巣) 子孫を残すための器官(おすには精巣、めすには卵巣がある)
消化管 食物を通す管

フナのひれ(5枚)

ひれ 位置
背びれ 背中側
尾びれ 尾の先
しりびれ しりの側
胸びれ からだの左右(前寄り)
腹びれ からだの左右(後ろ寄り)

魚類は、メダカと同じでひれが5種類あります。

ポイント:「えら=呼吸」「うきぶくろ=浮き沈みの調節」「らんそう=子孫を残す」——フナの器官ははたらきとセットで問われます。

注意:「フナの消化管には、胃・小腸・大腸の区別がない」。ヒトとフナのちがいを問う問題が定番です。


11 動物の消化器官② 肉食・草食・雑食動物

種類 例 歯 消化管
草食動物 ウマ・ウシ・ウサギ せんい質を多くふくむ大量の草をすりつぶすため、平で大きな臼歯 長い消化管(ウシは体長の約20倍、ウマは約12倍)
雑食動物 ヒト・サル 両方の特徴をもつ ヒトは体長の約5倍
肉食動物 ライオン・トラ・イヌ・ネコ 獲物の肉を引き裂くするどい犬歯、ぎざぎざ臼歯 短い消化管(ライオンは体長の約2倍)

なぜ消化管の長さがちがうのか

  • 草食動物:せんい質を多くふくむ草を消化するのに時間がかかるため、消化管が長い。
  • 肉食動物:肉は消化が比較的簡単で、素早くエネルギーをとるため、消化管が短い。
  • 植物はせんいを多くふくむから消化に時間がかかります。植物を食べる動物ほど消化管が長くなるのです。

ウシの特別なしくみ

しくみ 内容
胃が4つ 消化しにくい食物せんいを消化して養分にするため、胃が4つある
反すう 胃の中に入れたものを再び口にもどしてかみ、また飲みこむことを繰り返す
微生物 胃の中には多くの微生物が生活していて、この微生物のはたらきが消化に役立っている

こうすることで、ウシはより多くの養分をからだに入れることができます。

ポイント:「草食動物ほど消化管が長い」。ウシ約20倍 > ウマ約12倍 > ヒト約5倍 > ライオン約2倍と、長さの順で覚えましょう。

注意:「反すう」する動物はウシのほかに羊やヤギもいます。「胃が4つ」「反すう」「微生物」の3点セットでウシのしくみを押さえましょう。


12 ゾウとトガリネズミ(コラム)

ゾウは草や果物などの植物性のえさを食べて生きています。草はせんいが多くて、消化にとても時間がかかる食べ物です。

しかし、消化管の容積も大きい草食動物ならば、からだの中に食べ物をずっとエネルギーとしてためておくことができます。そして、同じ体重あたりで比べると、からだの大きい動物ほど、生きていくために必要なエネルギーが少なくてよいのです。

体重が5gほどしかないトガリネズミが使うエネルギーは、同じ体重あたりで比べると100倍以上にもなり、起きている間中食べ続けているといわれています。

ポイント:「からだが大きいほど、体重あたりに必要なエネルギーは少なくてよい」。ゾウとトガリネズミの対比は、「なぜゾウは草だけで生きていけるのか」という問いの答えになります。


13 本体の要点チェック

予習シリーズ本体の要点を、確認問題の形で並べます。答えを右手でかくして挑戦してみてください。

問1 米やムギといった穀物などに多くふくまれ、おもに生きていくためのエネルギー源になる栄養素はどれですか。
→ 答え:炭水化物です。

問2 次のうち、タンパク質を多くふくむ食べ物はどれですか。(ジャガイモ・肉・砂糖・バター)
→ 答え:肉です。大豆・卵・乳製品もタンパク質を多くふくみます。

問3 消化管を、口を先頭にして食べ物が通る順に並べなさい。
→ 答え:口 → 食道 → 胃 → 十二指腸 → 小腸 → 大腸 → 肛門。

問4 消化された養分を吸収する器官はどこですか。
→ 答え:小腸です(柔毛という小さな突起から吸収)。

問5 デンプンは消化されて最終的に何という物質になりますか。
→ 答え:ブドウ糖です(でんぷん → 麦芽糖 → ブドウ糖)。

問6 だ液にふくまれる、デンプンを消化する消化酵素は何ですか。
→ 答え:アミラーゼ(だ液アミラーゼ)です。

問7 タンパク質は消化されて、消化・吸収されるときには何という物質になりますか。
→ 答え:アミノ酸です(タンパク質 → ペプトン → アミノ酸)。

問8 しぼうは消化されて、吸収されるときには何と何という物質になりますか。
→ 答え:しぼう酸とモノグリセリドです。

問9 小腸の内側のかべのひだにある、小さな突起を何といいますか。
→ 答え:柔毛です(1平方mmあたり18〜40個)。

問10 からだのつくりにある管のうち、問5・問7・問8で答えた物質はそれぞれ何という管に吸収されますか。
→ 答え:ブドウ糖・アミノ酸は毛細血管(→門脈→肝臓)、しぼう酸・モノグリセリドはリンパ管に吸収されます。

問11 肉食動物と草食動物のうち、消化管が長いのはどちらですか。
→ 答え:草食動物です(せんい質を多くふくむ草の消化に時間がかかるため)。


14 親子で最終チェック!10問クイズ

Q1. 5大栄養素の名前をすべてあげなさい。また、「筋肉・臓器・皮ふ・毛などからだをつくる材料になる」のはどれですか。

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炭水化物・タンパク質・しぼう・ビタミン・ミネラルの5つです。からだをつくる材料になるのはタンパク質です。炭水化物としぼうはエネルギー源、ビタミンは調子を整える・成長を助ける、ミネラルは骨や歯・血液の成分になるという役割のちがいも確認しましょう。

Q2. 昔、長距離を移動する船乗りの間に流行った病気の名と、不足していた栄養素を答えなさい。

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壊血病(かいけつびょう)で、ビタミンCが不足して起こりました。長い航海では野菜や果物を食べる機会が少なくなるためです。ビタミンCは野菜や果物に多くふくまれています。

Q3. 食物が通る順に、口の次から肛門までをすべて答えなさい。また、食物の通り道ではないが消化に関係する器官を3つあげなさい。

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口 → 食道 → 胃 → 十二指腸 → 小腸 → 大腸 → 肛門です。食物の通り道ではない器官は肝臓・胆のう・すい臓です。消化管とこれらを合わせて消化器官といいます。

Q4. 食道の長さとはたらきを答えなさい。また、胃液にふくまれる塩酸のはたらきを2つ答えなさい。

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食道は25cmほどの筋肉の管で、口から胃に食物を送りますが、消化のはたらきはありません。胃液には0.4〜0.5%の塩酸がふくまれ、食物の殺菌をするほか、胃液のはたらきを助けるはたらきがあります。

Q5. 5つの消化液の名前をあげ、それぞれの消化液にふくまれる消化酵素を答えなさい。また、消化酵素をふくまない消化液と、そのはたらきを答えなさい。

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だ液=アミラーゼ/胃液=ペプシン/すい液=アミラーゼ・トリプシン・リパーゼ/胆汁=なし/腸液(ちょう液)=マルターゼ・エレプシンです。消化酵素をふくまないのは胆汁で、しぼうを細かいつぶにして消化液と混ざりやすくする乳化作用があります。

Q6. デンプン・タンパク質・しぼうは、それぞれどのように分解されますか。分解の段階と、体に吸収される物質を答えなさい。

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デンプン →(アミラーゼ)→ 麦芽糖 →(マルターゼ)→ ブドウ糖、タンパク質 →(ペプシン・トリプシン)→ ペプトン(ペプチド) →(エレプシン)→ アミノ酸、しぼう →(リパーゼ)→ しぼう酸 + モノグリセリドです。体に吸収されるのは、ブドウ糖・アミノ酸・しぼう酸とモノグリセリドです。

Q7. 胆汁はどこでつくられ、どこにためられ、どこから出されますか。また、すい液はどこでつくられ、どこから出されますか。

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胆汁は肝臓でつくられ、胆のうにためられ、十二指腸から出されます。すい液はすい臓でつくられ、十二指腸から出されます。十二指腸は胆のう・すい臓とつながっていて、胃から送られてきた食物はここでこれらの消化液と混ざります。

Q8. だ液が最もよくはたらく温度は約何℃ですか。また、低温にした場合と高温にした場合で、体温近くにもどしたときのはたらきはどうなりますか。理由もあわせて答えなさい。

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約37℃(ヒトの体温ぐらい)です。低温でははたらかなくなりますが、体温近くにもどすと再びはたらくようになります。一方、高温にすると、体温近くにもどしてもはたらかなくなります。消化酵素がタンパク質でできており、高温で性質が変わって(壊れて)しまうからです。

Q9. 養分の吸収について。①水に溶けやすい養分はどこから吸収されますか。②水に溶けにくい養分はどこから吸収されますか。③それぞれにふくまれる養分を答えなさい。

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①毛細血管から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれます。②リンパ管から吸収されます。③毛細血管にはブドウ糖・アミノ酸・ビタミンCなど、リンパ管にはしぼう酸・モノグリセリド・ビタミンDなどです。リンパ管は肝臓の近くで血管につながり、養分は血液に入ります。

Q10. フナのからだについて。①呼吸を行う器官、②浮き沈みの調節を行う器官、③子孫を残すための器官の名を答えなさい。また、草食動物と肉食動物では、どちらの消化管が長いですか。理由もあわせて答えなさい。

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①えら ②うきぶくろ ③らんそう(卵巣)です。フナのひれは5種類(背びれ・尾びれ・しりびれ・胸びれ・腹びれ)で、えらで呼吸します。消化管が長いのは草食動物で、せんい質を多くふくむ草を消化するのに時間がかかるからです。ウシは体長の約20倍、ウマは約12倍、ヒトは約5倍、ライオンは約2倍です。


15 まとめ:取り組み方のコツ

1. 「3本の階段」を声に出して唱える 「でんぷん → 麦芽糖 → ブドウ糖」「タンパク質 → ペプトン → アミノ酸」「しぼう → しぼう酸+モノグリセリド」。この3本の階段が書ければ、消化酵素の問題はほぼ解けます。

2. 「つくられる場所」と「出る場所」を分けて覚える 胃液は胃でつくられ胃から出るが、すい液はすい臓でつくられ十二指腸から出る、胆汁は肝臓でつくられ胆のうにためられ十二指腸から出る。一致するか、ちがうかを意識しましょう。

3. 吸収は「水に溶けるかどうか」で分ける 水に溶けやすい=毛細血管(→門脈→肝臓)/水に溶けにくい=リンパ管。ビタミンの水溶性(B・C)と脂溶性(A・D・E)の分類と連動させると、一気に整理できます。

4. 動物は「食べ物に合ったつくり」で覚える 草食=平らな臼歯+長い消化管/肉食=するどい犬歯+短い消化管。「食べ物に最適な歯や消化管のつくりになっている」という一言を軸にしましょう。

最後に:この回は、「食べたものが2つの通り道に分かれて、からだに届くまで」を追いかける単元です。5つの消化液・6つの消化酵素・3本の分解の階段・2つの吸収ルート——この4つの数を最初に押さえれば、あとは表を埋めていくだけです。テスト前は、この記事のまとめ表とクイズ10問を親子で回してみてください。本日の伴走、おつかれさまでした!

 

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